上海通信NO.9 続・上海味めぐり(1) 白蘭花
さっそく竹の子ご飯と竹の子の煮付けを作りました。えぐみが無く柔かな細い小ぶりの竹の子です。「初物」の日本の味を堪能しました。初物の中国の味はレストラン「蘇浙匯」で味わいました。では今回の上海味めぐりは蘇浙匯の紹介から始めましょう。レストランの評価は前回と同じく味、雰囲気、サービス別に「とても良い」は<★★★>、「良い」は<★★>、「ふつう」は<★>です。価格については2人で食べて100元(1元≒13.5円で約1350円)以下を<安い>、100〜200元を<ふつう>、200元以上を<高い>としました。 @蘇浙匯 茂名南路にある上海料理と広東料理のレストランです。錦江飯店のすぐ傍にあります。エレベーターで3階へ上がります。此処もよく待たされます。店内は幾つかのホールに分れています。メインダイニングは中央部分が吹き抜けになっており、側面には少人数のための2階席もあります。いつも2階席に案内されますが、下のメインダイニングでは誕生日のお祝いをよくやっています。上海のレストランは何処もバースデー・ケーキは持込OKなので、ウェイターが大きなケーキを切り分けてくれます。此処のメニューは日本語でも書かれています。さて、好きな物は前菜の"温拌海螺肉"(ホラ貝と葱と香菜の和え物)28元(約380円)です。スモークしているのか、ホラ貝のほんのりとした香ばしさが上品な味です。"XO醤爆蝦球"(海老のXO醤炒め)48元(約650円)はプリプリした海老とコリコリしたセロリが程好い量の唐辛子によりピリッとした味付けになっています。"蒜香排骨"36元(約490円)はニンニクの香りが少し強いのですが、スペアリブは柔かく中国独特の甘味がある豚肉です。「初物」は豚肉と"春筍"の醤油煮でしたが、今回は"葱拌双筍"(春の竹の子とチシャの茎の葱油和え)18元(約250円)です。葱油の風味が強過ぎずあっさりとした味です。"清炒菜心"18元はチンゲンサイの4、5cm程の芯だけを炒めています。スープがよくしみ込んで柔かく美味しいです。中国のレストランは何処もデザートがサービスで付きます。夏は哈蜜瓜(新疆特産のハミ瓜)とスイカがよく出ていましたが、冬になるとスイカのみになりました。この日は"南瓜雪耳羹"でした。裏漉ししたカボチャに白きくらげが入ったとろりとした甘いデザートスープです。蘇浙匯は延安中路にも店があります。上海料理と四川料理です。そちらも美味しいです。 味<★★> 雰囲気<★★> サービス<★★★> 価格<ふつう> 住所:茂名南路127号 пF54037028 延安中路1121号 пF62485155 A博多新記 今、最も好きな店です。二人で食べて、飲物やデザートを入れても80数元です。安くて美味しい庶民の食堂です。そもそも店の名前から日本料理の店と勘違いして「水炊き」、「モツ鍋」、「皿うどん」、「チャンポン」等があるだろうと思って入りました。違いました。潮州(広東省)料理の店でした。「博多」という名の日本料理店を買い取ったので新記を付けて「博多新記」と名付けたそうです。
味<★★★> 雰囲気<★> サービス<★★> 価格<安い> 住所:新楽路90号 пF54049878 宝慶路9−4号 пF64745301 復興中路1252−15号 пF54653823 B咸亨酒店 「上海街めぐり」の南京路コースで紹介した「逸夫舞台」近くの広東路にあります。魯迅の小説「孔乙己」の中で、主人公が通う酒屋のモデルと云われる紹興にある「咸亨酒店」(途絶えていた酒屋を魯迅生誕百周年の時に復活させ、更に最近レストラン、ホテルに拡充しました)のグループ店です。多倫路店や襄陽北路店よりもこの店の方が好きです。店内も服務員も紹興の田舎の暖かさを感じさせます。料理を運ぶ男性服務員は皆、紹興でよく見掛ける"〓(毛へんに占)帽"(黒いフェルト帽)を被っています。入口には紹興酒が入っていた大きな甕が置かれています。今改装中なので漢口路にある「紹興人家」を借りて臨時営業しています。5月8日から新装開店するそうです。
"咸亨大黄魚" 1斤68元(約920円)はイシモチの上に小さく切ったマコモ、ピーマン、葱、白菜等の野菜をのせて"〓(月へんに奄)菜"(紹興地方の白菜漬)の出汁で蒸しています。"干菜〓(火へんに悶)肉"26元は揚げて煮た豚肉を干した"梅菜"(江南地方特産の酸味がある野菜)にのせて蒸しています。"紹興小炒"(からし菜、蓮根、竹の子、椎茸、ふくろ茸、ししとう、ピーマン等の炒め物)26元等、どれも紹興風味の美味しさです。また"八宝茶"(クコ、菊、白きくらげ、緑茶、竜眼、氷砂糖等、8種類の物が入ったお茶)を細長い注ぎ口が1mはあろうかと思われるやかんで入れてくれます。 味<★★★> 雰囲気<★★> サービス<★★> 価格<ふつう> 住所:広東路717号 пF63617365 C亀茲古麗餐庁
ウイグル族は顔立ちが漢族とはっきり違います。鼻が高く目の色は青みがかった茶色です。西域の雰囲気を感じます。店内は個室が3部屋とホールにはテーブルが大小20卓程あります。此処で最も好きな物は"伊犁蒜香骨"(羊のスペアリブを新疆風の衣を付けて揚げた物)38元(約510円)です。"老回民粉湯"26元(約350円)は骨付き羊肉、四角い"粉皮"(緑豆でんぷんで作った寒天のような物)、トマト、ピーマン、白菜、青菜等が入ったスープです。酸味と辛みと西域の香りがするボルシチのようなスープです。"土豆泥色拉"(新疆特産の干し葡萄が入ったポテトサラダ)16元(約220円)、"大盤肚"(羊の内臓、玉葱、ピーマン等を炒めた物)30元(約400円)、"〓(火へんに考)包子"(ピロシキの具を餃子の皮で包んで焼いたような物)10元(約135円)等も美味しいです。新疆ビール、新疆黒ビールもあります。まだ見た事はありませんが羊一頭の料理もメニューにありました。子羊でしょうか・・・。 味<★★★> 雰囲気<★> サービス<★★> 価格<ふつう> 住所:東諸安浜路225号 пF62101977 D半島品珍舫 やはり我が家から亀茲古麗餐庁とは反対方向に歩いて5、6分の所にあります。ウェイトレスが笑顔で迎えてくれます。店内は明るく清潔で感じが好いです。5階建ての洋館を広東料理のレストランにしています。1階は小さなテーブルが5卓あり、中2階には中位のテーブルが3卓程あります。更に上の階は宴会向きのようです。"明炉甲魚"(スッポン鍋)68元(約920円)はクコ、生姜、葱、竹の子等が入った"高湯"(骨で出汁をとった白いスープ)が沸騰したら、適当な大きさに切られたスッポンを1匹入れます。更に沸騰したら弱火にしてコトコト煮ます。ゼラチン質部分が柔かくなったら食べられます。煮れば煮る程、旨味が出て美味しいです。"絲瓜老油条"12元(約160円)はへちまと"油条"(朝食に食べる細長い揚げパン)を炒めた物です。"油条"の塩味がへちまのえぐみとマッチしています。"〓(月へんに昔)味龍豆"(干した豚肉とさぼてんのような野菜の炒め物)16元(約220円)は歯応えがあり少しくせのある野菜が旨味がついた豚肉とよく合っています。スッポン鍋はスープが残ったので"打包"(持ち帰り)し、翌日、雑炊にしました。これも旨味たっぷりで大変満足しました。スッポンといえば南丹東路にあるレストラン「和記小菜」の"糯米蒸甲魚"(スッポンおこわ)も美味しかったのですが、量が多いので4回に分けて食べました。量が多いといえば南京西路のレストラン「達令港」は1皿の料理がとんでもない量の多さです。5人で食べましたが、それでも残りました。 味<★★> 雰囲気<★★> サービス<★★> 価格<安い> 住所:華山路1473号 пF62835777
上海の街路樹のプラタナスも新芽を吹き始めました。20日頃からは気温が30度を越え、いきなり夏のような暑さになりました。半袖の人も見掛けます。冬の間は夜、付近の道を歩く人も疎らでしたが、又多く見掛けるようになりました。皆よく食後の散歩をしています。夏場は観光客で一杯だった黄浦江際のレストラン「海龍海鮮舫」も冬場は人が少なく寂しい感がありましたが、今から又徐々に増えて活気を取り戻していくのでしょう。 ●上海通信No.9(2) 続・上海味めぐり(2)へ ●上海通信トップページ ●トップぺージへ |